キャラクターを保護する権利について解説します【商標権・意匠権・著作権】
- Eisuke Kurashima
- 2021年10月30日
- 読了時間: 5分
更新日:2022年6月20日

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自社オリジナルのキャラクターの人気が出てきたら、権利による保護を検討しませんか?
キャラクター自体の保護は「商標権」、キャラクターの描かれたグッズは「意匠権」、キャラクターが登場する絵本などは「著作権」と、それぞれ保護するための権利が違い、商標権と意匠権については自ら申請する必要があります。
このページでは、キャラクターを保護するための権利と、権利を得るために必要になる費用について解説をします。
キャラクターそのものは「商標権」で保護する
キャラクターそのものは、商標権により保護できます。商標登録するのは、キャラクターの「図柄」と「名前」です。模倣品は、ほとんどのケースで図柄と名前の両方を模倣するため、この両方を商標登録することで模倣品を市場から排除できるでしょう。
後述する意匠登録は新規性を求められますが、商標登録ではそうした要件もありません。オリジナルのキャラクターを作成した場合には、必ず申請したい権利です。
商標権は更新を行えば半永久的に存続できる
商標権の期間は、商標登録を受けた日から10年間ですが、10年が経過する前に更新登録料を支払うことで、さらに10年間、商標権を維持できます。更新は何度でも可能で、更新を続ける限り半永久的に権利を存続できます。
商標登録にかかる費用
当事務所で商標登録の手続を代行する場合、特許庁に支払う手数料を含めたトータルの費用の目安は8~20万円(税込み)となります。

※上記料金表において、登録時の印紙代は10年分となっています。登録時の印紙代を5年分とする場合は「17,200円×区分数(非課税)」となります。
詳細な費用や、手続きの流れは、以下のページをご参照ください。
キャラクターグッズは「意匠権」で保護する
意匠権とは、キャラクターの絵柄そのものではなく、工業的な物品のデザインを保護するものです。例えば、キャラクターが印刷されたノートやタオル、Tシャツなどは、「意匠登録」を行うことで保護できます。
キャラクターをプリントした物品を意匠登録する場合、対象となるデザインはまったく新しいものであり(新規性)、既存の類似品がないことも求められます。また、いわゆる一点物には適用できず、あくまで工業的に大量生産できるものが対象です。
絵柄は著作権で保護できるケースもありますが、たまたま同じようなキャラクターを他企業などが作っていた場合、著作権の効力が及ばない可能性がでてきます。意匠登録を行えば、先に登録を行った会社が意匠権を維持することになり、こういったことを避けられます。
意匠登録は登録から20年有効
商品販売後でも半年間は登録を受けることができますが、基本的には意匠登録は商品の発売前に出願をします。なお、意匠権は、最長でも出願日から25年で消滅となります。
なお、意匠登録をする場合は、販売したい商品と、柄やキャラクターのポーズを決定した上で出願します。そのため、キャラクターグッズの意匠権は、キャラクター単位ではなく、物品ごとに意匠登録の申請が必要です。
意匠登録にかかる費用
当事務所で意匠登録の手続を代行する場合、特許庁に支払う手数料を含めたトータルの費用の目安は約11万円(税込み)となります。

詳細な費用や、手続きの流れは、以下のページをご参照ください。
イラストや漫画で表現した図柄は「著作権」で保護される
著作権はキャラクター自体には発生しませんが、イラストや漫画、絵本などの制作物にキャラクターが登場した場合、その具体的な図柄は著作権で保護されます。著作権を得るための手続きはなく、創作が完成した時点で自動的に発生します。
創作が完成した後に、キャラクターの模倣品を見つけた場合、著作権により差止請求や損害賠償請求が可能です。
著作権は作者の死後、もしくは公表後70年存続する
著作権は、原則として、著作者が著作物を創作した時点から発生し、著作者の死後70年まで保護されます。
なお、企業など団体名義の著作物は例外となり、公表後70年間の保護となります。企業の場合、著作権であることを示す「Cマーク」の表示を検討してもよいかもしれません。
有名になれば「不正競争防止法」による保護も
不正競争防止法とは、人気商品をそっくりそのまま模倣するような行為を「不正競争」として禁止して、適正な競争と公正な市場を確保しようとする法律です。
キャラクターが有名になり、多くの人に「このキャラクターはあの商品のキャラクターだ」と認識されるようになると、「このキャラクターがついているから」といった購買行動が起こるケースも出てきます。そのような「顧客吸引力」を持つキャラクターは、不正競争防止法による保護の対象になります。
キャラクターの「商標権」「意匠権」の取得なら、井上国際特許商標事務所にご相談ください
キャラクターの権利を守るために、「商標権」や「意匠権」の取得を検討されている方は、ぜひ、井上国際特許商標事務所にご相談ください。
商標登録の申請は手続きが煩雑で、認可を得るためには専門的な知識も必要です。当事務所にご相談いただければ、事前調査から書類作成、そして出願まで、専門的な知識をもってトータルでサポートいたします。
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